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螳螂生ず

冬を越した蟷螂(カマキリ)の卵から、小さな子カマキリが一斉に出てくる頃。

孵化した子カマキリは小さいながらもすでに親カマキリと同じ形。鎌をもたげて威嚇するポーズも、いじらしくて可愛らしい。

紫陽花

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麦の秋至る

青麦の時期を通り過ぎ、熟した麦が黄金色の穂をつける頃。

季節は初夏の頃ですが、麦にとっては実りの秋。
麦にかわり季節をとらえた、何とも機転の利いた言葉です。

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紅花栄く

紅花(べにばな)が盛んに咲き誇る頃。

山吹色の花をつけた後、だんだんと鮮やかな赤みを帯びていきます。

紅花には、サフロールイエローという黄色い色素とカルサミンという赤い色素が含まれていて、含まれる割合は黄色い色素の方が圧倒的に多く、赤い色素はわずか1%ほどです。

昔はこの花びらから紅色の染料を取り、化粧品を作っていましたが、紅の色素を抽出するのに多くの時間と労力を要するため、金よりも紅の方が価値が高いとされていました。

笹紅・小町紅

紅花おこわ

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蚕起きて桑を食む

蚕(かいこ)が桑(くわ)を盛んに食べてぐんぐん育つ頃。

蚕豆と空豆 (そらまめ)

蚕豆と空豆。どちらもソラマメと呼びます。

蚕(かいこ)の字があてられているのは、さやの形が蚕に似ているから、あるいは蚕が繭(まゆ)を作る時期に実るためといわれています。

一方、空豆の方は、さやが空に向かって育つからと言われています。

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竹笋生ず

筍(タケノコ)が生えてくる頃。

とはいえ、筍は種類によって旬が異なるので3月にはもう食べたよという方も多いのでは。

3月、4月に出回るのは孟宗竹(もうそうちく)、4月は淡竹(はちく) 、4月は真竹(まだけ)、5月、6月は根曲がり竹・姫竹の旬。それぞれに特徴があります。

孟宗竹(もうそうちく)

淡竹(はちく)

真竹(まだけ)

根曲がり竹・姫竹 (ねまがりたけ・ひめたけ)

大名筍(だいみょうたけのこ)

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蚯蚓出ずる

冬眠していたミミズがにょろりと土の中からはい出てくる頃。

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蛙始めて鳴く

ケロケロケロとカエルの声が聞こえてくる頃。

端午の節句

菖蒲

端午の節句は、その時期に盛りを迎える菖蒲を様々な形でふんだんに用いることから、菖蒲の節句とも呼ばれています。

菖蒲は、古来から薬草として煎じて飲まれており、健康を保ち、邪気を祓う力があると信じられていました。

菖蒲湯に入り、菖蒲酒にして飲んだり、菖蒲枕として枕の下に敷いて寝たり、軒につるして邪気を払ったり、端午の節句は、まさに菖蒲づくしの一日。

菖蒲の葉から出る強い香りは根元の赤みを帯びた部分にあるので切り落とし過ぎないように注意して。

山桜のさくらんぼ

新じゃが

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牡丹華さく

春もたけなわ、「百花の王」とも呼ばれる牡丹(ぼたん)の花が咲き始める頃。

艶やかに大輪の花を咲かせる牡丹は時代を超えて多くの人々に愛されてきた花です。

さまざまな工芸品や絵画の意匠としても用いられています。

八十八夜

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霜止んで苗出ずる

霜が降りるようなこともなくなり、すっかり暖かくなって稲の苗がどんどん成長する頃。

農家の人は田植えで忙しい時期を迎えます。

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葭始めて生ず

水辺の葦(あし)が芽を吹いて水面から顔を出し始めた頃。

菜種梅雨(なたねづゆ)

二十四節季では穀雨(こくう)の時期、山野の植物の伸び初めに合わせて丁度よく恵の雨が降ります。この頃の雨が長くなることを「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼びます。

ついうっとうしく感じてしまう雨も、植物にとっては恵の雨。天からの栄養をいっぱいに受けて、ぐんぐん背を伸ばしていきます。

筍(タケノコ)

この時期旬なのが筍(タケノコ)。

「筍」という漢字は、竹が10日間(一旬)で成長するため、竹の旬の時期という意味が由来であるとも言われています。

採ってから時間が経つほどにアクが強くなるため、できるだけ早く調理する。