雪下出麦
(雪下麦出ずる)
新年あけましておめでとうございます。新しい年を迎え、暦は「冬至」の末候、「雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる / 雪下麦出ずる)」を迎えます。
降り積もる雪の下で、目には見えずとも麦が静かに力強く芽を吹き出し始める季節です。寒さの中で芽吹いた麦は強くたくましく育つことから、古くから不屈の生命力の象徴とされてきました。
お正月は無病息災を願う「お屠蘇(とそ)」や温かな行事食とともに、身体の芯から温まり、健やかな一年のスタートを切りましょう。
季節の言葉と風土
【なぜ雪の下で麦は芽を伸ばすのか?(植物生理と麦踏みの知恵)】
麦(コムギやオオムギ)は「秋まき」の作物が一般的で、冬の厳寒期を経験することで成長スイッチが入る「低温要求性(春化処理)」という植物生理を持っています。雪は冷たいイメージがありますが、実は空気を含んでいるため断熱材(保温カバー)の役割を果たし、地表近くの温度を氷点下近くで一定に保ちます。
農家では冬に「麦踏み(むぎふみ)」という作業を行います。芽を足で踏みつけることで、伸びすぎを防ぎ、根張りを強くして耐寒性を高める伝統的な農の知恵です。人生の節目やスタートの時期に、この強靭な生命力を取り入れたいものです。
【新年の暮らしと手仕事:寒おこしと温活習慣】
お正月休みは、1年の健康の土台を作る大切な時期。寒さで収縮しがちな身体をほぐすため、湯たんぽや足湯、生姜や葛を使った薬膳スープで「温活」を意識しましょう。また、庭や菜園をお持ちの方は、土を粗く掘り起こして冬の寒風や霜に晒す「寒おこし(寒耕)」を行うと、害虫や病原菌が死滅して春にふかふかの土になります。
季節を味わう暮らしの道具と食
「冬至」に属する七十二候(全3候)
二十四節気:冬至現在の候冬至 末候
雪下出麦
(雪下麦出ずる)
1月1日〜1月5日頃閲覧中